W6-5 炎症性腸疾患の病態理解と実験モデル
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概要
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我々の腸管粘膜は免疫寛容が誘導されていることによって，通常は腸内細菌叢の菌体成分や食餌抗原に対して過剰な免疫反応が賦活化されることはない．ところが炎症性腸疾患（IBD）ではこの腸管粘膜の免疫調節機構が破綻していることが知られている． クローン病や潰瘍性大腸炎といったIBDの罹患率の上昇は本邦でも大きな問題となっているものの，その病態の全貌はいまだ明らかとはなっていない．しかしながら近年の免疫学の飛躍的な進歩によって，いかにして腸管の免疫恒常性が破綻し得るのか，もしくはそれが破綻したときに何が起こり得るのか，あるいは腸管粘膜の免疫応答はそもそも如何にして調節されているのか，といった解析が進められ，そのベールは徐々に剥がされつつある． こうした研究成果にこれまで最も貢献してきた解析手法のひとつが実験IBDモデルといえる．今回は代表的な動物IBDモデルを通じて，IBDの基本的病態や粘膜免疫の調節機構を概説する．
- 日本臨床免疫学会の論文
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