皺襞肥大型胃炎の診断と治療
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
胃体部の皺襞肥大は,内視鏡検査や胃X線検査時にしばしば観察される.その大多数は<I>Helicobacter pylori</I>(<I>H. pylori</I>)感染により惹起される皺襞肥大型胃炎である.その特徴は,胃体部粘膜の腺窩上皮の過形成および高度の炎症を認め,胃酸分泌の低下を伴い,皺襞肥大の程度に従って胃癌のリスクが増加し,特に胃体部に未分化型胃癌が増加することである.<I>H. pylori</I>除菌により,これらの所見は改善し,胃体部の皺襞肥大はほぼ正常化し白濁した粘液の付着の消失を認めることで胃癌が発見しやすくなる.皺襞肥大型胃炎は,<I>H. pylori</I>感染者のなかでも胃癌発症のハイリスク群と考えられる.皺襞肥大型胃炎において,<I>H. pylori</I>の除菌が胃癌発生の予防につながるかどうかは,今後明らかにする必要がある.
著者
-
安永 祐一
兵庫県立西宮病院内科
-
村山 洋子
市立伊丹病院 内科
-
篠村 恭久
札幌医科大学 医学部内科学第一講座
-
佐野村 珠奈
市立伊丹病院 消化器内科
-
西林 宏之
社会保険神戸中央病院 消化器内科
-
筒井 秀作
市立伊丹病院 消化器内科
-
安永 祐一
兵庫県立西宮病院 内科
-
篠村 恭久
札幌医科大学 内科学第1講座
-
村山 洋子
市立伊丹病院 消化器内科
-
篠村 恭久
札幌医科大学
関連論文
- 10.顆粒球吸着療法(GCAP/GMA)により臨床症状の改善が得られたInfliximab(IFX)不応クローン病の1例(一般演題,日本アフェレシス学会第29回北海道地方会抄録)
- 3.当科における重症膵炎に対する膵酵素阻害剤・抗菌剤動脈注入療法および持続的血液ろ過透析治療(一般演題,日本アフェレシス学会第29回北海道地方会抄録)
- 特発性門脈圧亢進症を背景に多発発生し, 6年の経過でさまざまな画像所見を呈した肝過形成結節の1例
- ミクリッツ病と全身性IgG4関連疾患 : 当科における systemic IgG4-related plasmacytic syndrome (SIPS) 40例の臨床的検討から
- 血漿のプロテオミクス解析
- 非特異的交差反応性抗原(NCA) (広範囲 血液・尿化学検査 免疫学的検査(第7版・4)その数値をどう読むか) -- (腫瘍マーカー)
- MS25-#1 当科で経験したsystemic IgG4-related plasmacytic syndrome(SIPS)55例の臨床的特徴の解析(膠原病と類似疾患2-肺病変を中心に-,第59回日本アレルギー学会秋季学術大会)
- 画像的に進展を捉えた肝エキノコックス症の1例
- 経回腸静脈静脈瘤塞栓術にて止血しえた肝管空腸吻合部静脈瘤出血の1例
- 遺伝的背景