FCC反応における多分岐成分の選択性向上に関する研究
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概要
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FCC反応において,多分岐化を促進して高オクタン価のガソリン収率を増大させるために,低温場でのFCC反応に着目し,オレフィンの多分岐化とパラフィンの高オクタン価成分への転化を従来のFCCよりも低温で行うことのできるゼオライトとその最適反応条件について検討した.その結果,オレフィン原料に対し,SAPO-11やシリカライト-1は350˚C程度の低温で高い転化率と,最大のガソリン収率を示し,また,高い多分岐体収率を与えることがわかった.ZSM-5を用いた場合,多分岐体濃度の増大効果は得られなかった.また,この低温条件において,パラフィン原料に対してZSM-5は高い転化活性を示し単分岐体や芳香族などの高オクタン価成分を生成したが,SAPO-11やシリカライト-1ではきわめて低い転化率しか得られなかった.オレフィン,パラフィンを含む混合原料に対して,低温で多分岐体選択性を高め,高転化率を得るためにはこの2つの反応性を示すゼオライトが必要であり,その効果はシリカライト-1とZSM-5の混合触媒により示すことができた.とくに内部がZSM-5, 外層部がシリカライト-1のcore/shell型ゼオライトを低温条件で用いたとき,ガソリン収率とガソリン中の多分岐体濃度が最大となり,オクタン価も高い値を示した.このcore/shell型ゼオライトは,複雑なFCC反応を異なる酸点で行うとともに分子の細孔内拡散を制御する新しい機能をもつゼオライト触媒であることが示された.
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