CAS, CEA術後のcerebral hyperperfusion syndrome発症に関する術前リスクファクターの検討
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概要
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【目的】内頸動脈血行再建術後のcerebral hyperperfusion syndrome(CHS)をきたす術前リスクファクターについて検討した.【対象】対象は1998年1月から2006年10月までの連続103症例(CAS 52例,CEA 51例)とした.【結果】多変量解析にて有意であったCHSの術前リスクファクターは,術側MCA領域脳血流 Type III(黒田らの分類)とcrescendo transient ischemic attacksないしfluctuating minor stroke(cTIAs/fMS)などの術前神経症状不安定例であった.上記2項目のうち2項目とも有さない症例のCHS発症率は0%,いずれかひとつを有する症例のCHS発症率は15%,両方有する症例のCHS発症率は80%であり,各群間に有意差を認めた.【結論】CHSの術前リスクファクターは,術側MCA領域脳血流Type IIIとcTIAs/fMSなど術前神経症状が不安定であることであった.術前リスクファクターの数によってCHSの発症率は上昇した.
著者
-
久門 良明
愛媛大学医学部脳神経外科
-
福本 真也
愛媛大学医学部脳神経外科
-
渡邉 英昭
愛媛大学医学部 脳神経外科
-
大西 丘倫
愛媛大学医学部 脳神経外科
-
田川 雅彦
愛媛大学医学部脳神経外科
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渡邉 英昭
愛媛大学医学部 脳神経外科
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福本 真也
愛媛大学医学部 脳神経外科
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田川 雅彦
愛媛大学医学部 脳神経外科
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久門 良明
愛媛大学医学部 脳神経外科
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