高度の全人的苦痛への対応に苦慮した肺がん歯肉転移の1例─全人的ケアにより最期まで鎮静が回避できた経験
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概要
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今回, われわれは全人的ケアにて鎮静が回避できた肺がん歯肉転移の1例を経験した. 症例は64歳, 男性. 検診で進行肺がんと診断され, 化学療法を施行した. 1年6カ月後に歯肉転移が出現, 急激に増大し出血が著しいため, 動脈塞栓療法を施行したが制御不能であった. その後, 積極的な治療は選択せず, 当院に転院となった. 当初から全人的苦痛(特に精神的, 霊的苦痛)が強く, 希死念慮があり悲観的な発言が目立ち, 自ら深い持続的鎮静(DCPS)を希望したが, 全人的ケアで鎮静をすることなく, 平穏に最期を迎えることができた. 肺がん歯肉転移に関する文献的考察, この症例の全人的苦痛の評価と緩和ケアに関し報告する.
著者
-
東口 高志
藤田保健衛生大 医 外科・緩和医療学
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篠邉 篤志
藤田保健衛生大学外科学・緩和ケア
-
天野 晃滋
彩都友紘会病院 緩和ケア科
-
川崎 宗謙
彩都友紘会病院 緩和ケア科
-
東口 高志
藤田保健衛生大学 医学部 外科・緩和医療学講座
-
都築 則正
藤田保健衛生大学 医学部 外科・緩和医療学講座
-
伊藤 彰博
藤田保健衛生大学 医学部 外科・緩和医療学講座
-
篠邉 篤志
藤田保健衛生大学 医学部 外科・緩和医療学講座
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