進行がん患者のうつ病に対してエスシタロプラムが有効であった2症例
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概要
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【目的】進行がん患者のうつ病に対して,エスシタロプラム(ESC)が有効であった2症例を報告する. 【症例1】50歳代, 男性, 直腸がん再発.The Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders (DSM-IV-TR)にて大うつ病エピソードと診断, ハミルトンうつ病評価尺度(HAMD-17)は20点であった. ESC 10 mg/日を開始, 14日目より症状は改善し, 23日目のHAMD-17は4点に改善した. 【症例2】50歳代, 女性,外耳道がん. DSM-IV-TRにて大うつ病エピソードと診断, HAMD-17は26点であった. ESC 10 mg/日を開始, 28日目のHAMD-17は13点に改善した. 両症例とも重篤な副作用やうつ病の再燃, 断薬による退薬症候群は認めなかった. 【結論】ESCは進行がん患者のうつ病に対し, 有効な治療薬の1つとなる可能性がある.
著者
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谷向 仁
大阪大学大学院医学系研究科精神医学教室
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馬場 美華
彩都友紘会病院 緩和ケア・ペインクリニック科
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若山 宏
彩都友紘会病院 緩和ケア科
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中嶋 真一郎
彩都友紘会病院 緩和ケア科
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天野 晃滋
彩都友紘会病院 緩和ケア科
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川崎 宗謙
彩都友紘会病院 緩和ケア科
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谷向 仁
大阪大学大学院 医学系研究科 精神医学教室
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