異所性静脈瘤 直腸静脈瘤の血行動態およびその治療戦略
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概要
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当科で治療を施行した直腸静脈瘤19例を対象に,直腸静脈瘤の血行動態およびその治療戦略について検討した.直腸静脈瘤の主たる供血源は下腸間膜静脈(IMV)で,血管造影(SMA造影・SPA造影)ではIMVの逆流現象が,CTではIMV径の増大が観察された.18例に内視鏡治療(EIS/EVL)を施行し,1例に開腹下シャント閉鎖術を施行したところ(平均観察期間30.6カ月),1例は直腸静脈瘤破裂で死亡,6例は追加治療を要したが,残り12例は追加治療なく経過した.直腸静脈瘤に対する内視鏡治療は,有効かつ簡便・安全な治療法であり,特殊な症例を除き標準治療になりうると考えられた.また,直腸静脈瘤の血行動態評価および治療効果判定には,造影CTが有用と考えられた.
著者
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今村 潤
がん・感染症センター都立駒込病院肝臓内科
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佐伯 俊一
がん・感染症センター都立駒込病院肝臓内科
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林 星舟
がん・感染症センター都立駒込病院肝臓内科
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田畑 拓久
がん・感染症センター都立駒込病院消化器内科
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佐伯 俊一
がん・感染症センター 都立駒込病院肝臓内科
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林 星舟
がん・感染症センター 都立駒込病院肝臓内科
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木村 公則
がん・感染症センター 都立駒込病院肝臓内科
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田畑 拓久
がん・感染症センター都立駒込病院肝臓内科
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