腸炎菌感染マウスに誘発されたインターフェロン : 1. インターフェロンの諸性状とその産生条件
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概要
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腸炎菌の弱毒株を感染させてから2週目のマウスに直接,当該菌を接種するか,in vitroにとり出した被感染マウスの脾臓細胞と当該菌とを混合培養することによりインターフェロン(IF)の産生が起こることを知つたので,得られたIFの諸性状ならびに,その産生細胞について検討を行い次のような結果を得た。(1) このIFがNewcastle disease virus (NDV)誘発IFとは物理化学的性状で異なるだけでなく,特異的刺激に伴つて感作リンパ球より産生されることからも,上記のIFがII型IFに属することを知つた。なお,この場合でもIFの種特異性は認められた。(2) 腸炎菌を感染させたathymicマウスや抗BAT血清と補体で前処理したeuthymicマウスの脾臓細胞からはIFが産生されないことから,このIF産生にはT cellの関与していることがわかつた。(3) 脾臓細胞から単離されたT cellだけでは,抗原刺激を行つてもIFの産生は起こらず,T cellに脾臓細胞より得たマクロファージ(Mφ)を加えることによりIFの産生が起こつた。また,一定数のT cellと混合培養するMφの数を減少させてもIFの産生は緩やかに減少しただけであつたのに対して,一定数のMφと混合培養するT cellの数を減少させるに従い,IFの産生もそれに並行して急速に減少した。また,死菌抗原でパルスされたMφと感作T cellを混合培養することによつてもIFの産生が認められた。以上の成績から,T cellがIF産生細胞であり,MφはT cellによるIF産生にantigen presenting cellとして関与しているのではなかろうかと考えた。(4) T cellとこれと混合培養するMφのH-2 haplotypeが同じ場合に限つてIFの産生が起こつた。
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