PMSG誘起連続発情ラットに関する研究 : PMSG投与後の血清ゴナドトロピン, プロラクチンおよび性ステロイドの動態
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概要
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ラットでは,出生直後のアンドロジェン,或いはエストロジェン投与および成熟時に連続照明下に暴露することにより連続発情が誘起される。また,老齢になり自発性に連続発情になることが報告されている。我々は前報で,性周期の発情期にPMSGを投与すると,63%の動物に長期の連続発情が誘起されることを報告した。このPMSG誘起連続発情は人の多嚢胞卵巣症候群の疾患モデルになり得ることが考えられる。本研究では,PMSG投与による連続発情を解明する一環として,PMSG投与直後から3日間に亘って,血清ゴナドトロピン,プロラクチン(PRL)および性ステロイドホルモン濃度について検討した。PMSG投与群では,LH はPMSG投与翌日(day 1)からday 3にかけて有意に上昇したが,FSHは実験期間中,対照群に比べて低値で推移した。PRL濃度は両群間で差がみられなかった。ステロイドホルモンは,プロジェステロン(P)には著明な変化がみられなかったが,テストステロン(T),エストラジオール-17β(E_2)濃度がPMSG投与群で有意に上昇した。即ち,TはPMSG投与直後(day 0)から上昇し,day 2〜3にかけて,E_2はday 2からday 3にかけて,共に極めて高値となった。以上の事から,PMSG投与により,多数の卵胞が発育して卵巣が正常に機能し得ない状態時に,LH/FSH比の上昇とも相応して,TおよびE_2が視床下部で作用し,連続発情の誘起に関与していることが考えられた。
- 北里大学の論文
- 1987-06-30
著者
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