背筋力発揮時における咀嚼筋筋活動について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
目的: 身体運動時においては, 下顎が固定されていると思われるが, その動態については明らかにされていない.そこで, 今回は背筋力を最大発揮した場合の咀嚼筋筋活動様相について検討した.<BR>方法: 被験者は健常有歯顎者9名であり, 汎用背筋力計を用いて背筋力を最大発揮させた.背筋力発揮時およびピーナッツ咀嚼時における側頭筋, 咬筋, および顎二腹筋の筋活動様相を計測した.また, 最大随意噛みしめ時の側頭筋および咬筋の筋活動量と, 最大随意開口抵抗時の顎二腹筋の筋活動量を計測し, 最大随意筋活動量を得た.得られた筋活動量より, 各咀嚼筋の最大随意筋活動量に対する相対比率を求め, 背筋力発揮時, ピーナッツ咀嚼時, および最大筋活動量の筋活動量を比較した.<BR>結果: 背筋力発揮時における側頭筋, 咬筋, および顎二腹筋の筋活動はそれぞれ最大随意筋活動量に対して321, 26.4, 97.4%であった.また, ピー一ナッツ咀嚼時における側頭筋, 咬筋, および顎二腹筋の筋活動はそれぞれ最大随意筋活動量に対して40.7, 36.0, 17.3%であった.<BR>結論: 背筋力を発揮する場面においては, 側頭筋および咬筋で約30%, 顎二腹筋で100%近い筋活動がみられた.咀嚼筋群は開閉口筋ともに活動するが, その様相から特に顎二腹筋が下顎の固定筋として密接に関与することが示唆された.
- 2006-01-10
著者
-
鈴木 浩司
日本大学松戸歯学部 口腔機能学講座
-
福本 雅彦
日本大学松戸歯学部歯科臨床検査医学講座
-
小見山 道
日本大学松戸歯学部 第i補綴学 講座
-
浅野 隆
日本大学松戸歯学部口腔機能学講座
-
飯田 崇
日本大学大学院松戸歯学研究科
-
飯田 崇
日本大学松戸歯学部口腔機能学講座
-
川良 美佐雄
日本大学松戸歯学部
-
淺野 隆
日本大学松戸歯学部口腔機能学講座
-
鈴木 浩司
日本大学松戸歯学部口腔機能学講座
-
福本 雅彦
日本大学松戸歯学部口腔臨床病理学講座
-
鈴木 浩司
日本大学松戸歯学部顎口腔機能治療学講座
関連論文
- ダウン症患者の自己咬傷に対するオーラルアプライアンスの有用性について
- プロサッカーチームに対する歯科的サポート活動とその成果
- 空手道におけるマウスガードを考える : (財)全日本空手道連盟ナショナルチームにおけるアンケート調査から
- スペシャルオリンピックス日本冬季ナショナルゲーム長野における歯科的サポート活動 : 特にフロアホッケーアスリートに作製したカスタムメイドマウスガードについて
- 舌に発生した脂肪軟骨腫の1例
- 上顎に発生した悪性線維性組織球腫の1例
- 志望校選択行動の要因についての分析 : 進路選択行動と大学入試広報
- 新入生を対象にした大学進学についての学習に起因しない動機に関する初年度調査の続報
- 19-206 口腔感覚障害と精神疾患との関連(コンサルテーション・リエゾン医学2,一般演題(ポスター発表),近未来医療を担う心身医学,第1回日本心身医学5学会合同集会)
- 歯科医師臨床研修指導歯科医講習会を受講した歯科診療所の歯科医師におけるアンケート調査および評価についての検討