広島市内幼稚園児の齲蝕罹患状態ならびにアンケート調査について

概要

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乳歯齲蝕が蔓延する現在, その実態を把握し, 口腔衛生学的見地から考察を加え, 更に公衆衛生学的活動を拡げることは有意義である。今回, 著者らは幼児の齲蝕罹患と保護者に対するアンケート調査の関係を統計学的に追究し, 考察を加えた。<BR>対象は幼稚園児 (3歳, 4歳, 5歳児; 721名) とその保護者である。検診は通法に従い, 検診結果, アンケート調査結果は集計用カードに記入し, 情報検索機 (タナック680型) を使用して集計した。齲蝕罹患者率は3歳児ですでに90.4%となり, 5歳児では97.5%, また1人平均齲歯数は3歳児で7.5本, 5歳児で10.2本であった。1人平均齲歯数は間食の回数の増加と共に上昇した。夕食後おやつを食べる者, 甘いおやつ (ケーキ, プリン, キャラメル, チョコレート) を好む者は明らかに齲歯数が多い。一方, 1日2回歯みがきをするグループでは, 幼児自身の歯みがきの後に母親がチェックするケースが多く, 1人平均齲歯数も明らかに少ない。<BR>本調査の結果より, 幼児の齲蝕予防には2歳児以前より母親による口腔衛生管理が要求され, 間食を与える時間, 回数, 内容の検討, 歯みがきの励行が必要であることが再確認された。