生体色素とビタミンに関する研究 : (第2報)文旦 (Citrus grandis Osbeck) のカロチノイド色素について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
文旦(ウチムラサキ種)果肉中のカロチノイド色素をpartition-及びcolumn-クロマイトグラフィにより分別し,それらの吸収スペクトル分析によって各色素を同定確認し,併せてそれらの含有量を吸光度の測定から算出して次の結果を得た. (1) 色素成分の組成を判定し得たもの5種類並にこれらの含有割合は次の通りである.すなわちβ-carotene (18.5%), neo-β-carotene U (1.4%), γ-carotene (1.0%), neolycopene (4.2%)及びlycopene (62.5%)であった. (2) この中neo-β-carotene Uはその一部は分別操作中にall-traps型より異性化したものと思われるが,また一部は少なくとも常成分として存在すると考えてよかろう. (3) 上記の5種類の色素成分のほかに,栄養上重要なるビタミンA効力を有すると思考されるcitroxanthin-like (5.0%)*とcryptoxanthin-like (12.1%)*の色素を認めた. (4) なお,CS2溶液で507, 478, 453mμ,ヘキサン溶液で477, 450, 432mμにabs. max.を有する性状不明の色素帯を認めた.(1957年3月16日)
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
著者
関連論文
- 熱帯産バイオマス資源の有効利用 : I.ギンネム種子中のガラクトマンナンのコレステロール低下作用
- 焼酎粕からのブロイラーの成長促進因子の分離
- ブロイラー飼料としての焼酎粕の有効利用
- 高速液体クロマトグラフィーによるニワトリ血漿コルチコステロンの定量
- 樹木種子の多糖類 (第1報) ギンネム種子中のガラクトマンナン
- 桜島ほか2,3大根品種における葉色, 葉緑素とカロチン含量および光合成能
- サイレージ有機酸の実用的新定量法
- 成長段階の異なるマウスの飼料効率および窒素蓄積率に対する制限給餌の影響
- 骨格筋蛋白質分解に対する高温および低温暴露の影響
- 産卵鶏におけるNτ-メチルヒスチジン排泄の日内変動
- 鶏筋肉蛋白質の合成•分解速度に及ぼす甲状腺除去ならびにサイロキシン投与の影響
- 高温ならびに適温環境におけるブロイラーの筋肉蛋白質代謝および腹腔脂肪量に対する甲状腺ホルモン投与の影響
- 高温環境下のブロイラーの生産性,へい死率ならびに筋肉蛋白質代謝に及ぼす絶食の影響
- 鹿児島県下の生乳のビタミンB12含有量について
- テストステロンによるコルチコステロン誘発性成長阻害の抑制およびその機構
- 生体色素とビタミンに関する研究 : (第2報)文旦 (Citrus grandis Osbeck) のカロチノイド色素について