甘藷デンプンの汚染機構に関する研究(第5報) : クロロゲン酸吸着のデンプン白度低下に及ぼす影響
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概要
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甘藷デンプンの白度はポリフェノールのオキシダーゼによる酸化重合色素によって着色されて悪くなるものか,デンプンヘポリブェノールが吸着され,その後に酸化着色するために悪くなるものかを検討するために,デンプンへのクロロゲン酸の吸着を調べ,且つデンプン,オキシダーゼ及びクロロゲン酸の混合組合せを変えてデンプンを調製し,混合初期及び沈澱後の各々のデンプンについてクロロゲン酸の吸着を調べ,かつ各々から調製したデンプンの白度を比較した.その結果,(1) クロロゲン酸はデンプンへかなりの量が吸着され,その大半は混合直後に吸着され,且つ吸着されると水洗しても除き難い. (2) クロロゲン酸の酸化重合色素こよっても幾分デンプンは着色されるが,この色素は比較的吸着され難く,またデンプンから離脱し易い.そしてこれによる着色はデンプン白度にそれほど大きな支配力を持っていない. (3) デンプンへのクロロゲン酸の吸着は,オキシダーゼ存在下でもおこり,この際未酸化のクロロゲン酸の量が多いほどデンプン白度は低く,少ないほど高い.これはデンプンに初期に吸着されるクロロゲン酸量が前老では多いことに原因する.吸着されたクロロゲン酸は共存するオキシダーゼによって,デンプンに吸着されたまま酸化着色し,この着色色素はデンプンを水洗しても離脱し難く,従って水洗をくりかえしてもデンプン白度は殆んど向上されない. (4) 上記の結論に従って実際のデンプン製造の2, 3の事例におけるデンプン白度の相違に考察を加えた.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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