細菌によるピルビン酸醗酵に関する研究
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概要
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(1) 乳酸からピルビン酸を生成せしめる菌株を検索したところ, Pseudomonas aeruginosa, Ps. cruciviae, Ps. dacumhae, Acetobacter suboxydans, Acet. xylinum, Xanthomonas pruni, Xant. maluacearum等の菌株がぎわめて良好であることを知った. (2) Pseudomonas aeruginosaによる乳酸からピルビン酸の生成試験では,ペプトン,肉エキスからなる有機培養基ではα-ケトグルタル酸を生成するが,乳酸の添加により著量のピルビン酸(11.8mg/ml)を生成する. (3) 以上のような乳酸のピルビン酸への転化はPs. aeruginosaの休止細胞を用いても観察された. (4) Ps. aeruginosaは無機合成培養基においてグルコースからピルビン酸のみを蓄積し,その量は対消費糖30〜50%に達する. (5) 上記合成培養基に阻害剤を添加したところNaF, NaN3, As2O3が糖消費及びピルビン酸蓄積を完全に阻害した.また2, 4-DNPは対照に比較して20%程度のピルビン酸蓄積量を増加させる. (6) Feを10mg/l合成培養基に添加すれば,ピルビン酸の生成は極度に抑制され,α-ケトグルタル酸の蓄積が顕著に増加する.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
著者
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阿部 重雄
協和醗酵工業株式会社東京研究所
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斎藤 健
協和醗酵工業株式会社海外室
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宇田 川清
協和醗酵工業株式会社東京研究所
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宇田 川清
協和醗酵工業株式会社
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阿部 重雄
協和醗酵工業株式会社, 東京研究所
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斎藤 健
協和醗酵工業株式会社東京研究所
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