広葉樹キシランの酸加水分解速度
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概要
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広葉樹から分離したキシランの酸加水分解反応について再検討し,以下の結果を得た. (1)キシランが加水分解されると,不溶性の直鎖状の分子片が生成し(速度定数kA1),これがさらに加水分解される(速度定数kA2)のと同時に結晶化し(速度定数kA1),結晶化したものが遅い速度で加水分解される(速度定数kB2),という4種類の反応を含んだ反応モデルによってこの反応を表し,さらに, kA1はkA1とkA2の和に近似的に等しい,としてこの反応を解析した. (2)このキシランの加水分解反応は,速度定数に対する酸濃度の影響から, A-1メカニズムであると推測された. (3)結晶化の速度定数, kA1,は加水分解の速度定数, kA1, kA2およびkB2に比べて酸濃度による影響は小さい. (4) kA1, kA1, kA2,およびkB2の活性化エネルギーは,それぞれ, 34, 27, 40および29kcal/molとなった. (5)上記4種類の速度定数を反応温度と硫酸濃度の関数として求めることができた.その結果,任意の反応温度と酸濃度における糖収率をより正確に予測することが可能となった.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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