トウモロコシ穂軸ペントサンの希硫酸による加水分解速度
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概要
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トウモロコシ穂軸ペントサンを100〜140°C, 0.2〜2.1%硫酸の条件で加水分解し,その速度を測定した.その結果,次のことが明らかになった. (1) トウモロコシ穂軸ペントサンの加水分解反応は, A(最も加水分解されやすい成分), A(比較的加水分解されやすい成分)とB(最も加水分解されにくい成分)の3成分がそれぞれ一次反応に従って同時に反応しているとみなすことができた. (2) ペントサンの側鎖の部分が可溶化すると同時に,主鎖は加水分解されて不溶性の直鎖状の分子片となり,これがさらに加水分解されるのと同時に結晶化しでいき,結晶化されたものが最も小さい速度で加水分解されていく,というモデルによって,この反応を表すことができた.この反応モデルから, A, AおよびBは,それぞれ,試料ペントサン,直鎖状の分子片と結晶性ペントサンに相当すると考えられた. (3) トウモロコシ穂軸ペントサンの側鎖が加水分解される反応の活性化エネルギーは約31kcal/mol,その他の4つの反応の活性化エネルギーは17〜22kcal/molとなった. (4) 結晶化の速度定数等5個の速度定数を反応温度と酸濃度(酸度関数)の関数として表すことができた.その結果,任意の反応温度,酸濃度における糖収率を計算により予測することが可能となった.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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