サケツバタケのプロトプラスト化とその再生

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大型食用キノコであるサケツバタケのプロトプラスト化およびプロトプラスト再生のための諸条件を検討し,次の結果を得た 1. プロトプラスト化の最適条件 (1) 浸透圧調整剤:0.6M MgSO4または0.6Mマンニトール. (2) 菌糸体培養日数:3〜7日の培養日数では大差なかった. (3) 菌糸体培養培地組成:OS培地とYCPG培地が有効であったが, 1〜2時間の短時間の場合にはOS培地のほうが約2倍のプロトプラストが得られた. (4) 細胞壁溶解酵素:6種類の溶解酵素を組み合わせた系が最もプロトプラスト形成率が良かったが, 2% Cellulase “ONOZUKA” R-10, 2% Driselase, 0.5%ウスキザイムの3種の組合せでもほぼ同等のプロトプラストが得られ,湿菌体100mg当り1.6×107個に達した. 2. プロトプラストの再生最適条件 (1) 細胞壁溶解酵素:2% Cellulase “ONOZUKA” R-10, 0.3% Zymolyase, 0.2% β-glucuronidase, 0.2% Chitinaseの組合せが最も良く,再生率は1%以上であった. (2) 再生促進添加物:1μM spermine, 2μM spermidine, 0.2%N-acetyl-glucosamineが効果的で,再生率は1.3〜1.4%で無添加の場合の約4倍に達した. 本研究に際し, Stropharita rugosoannulata SK-1を株式会社生科研から分譲いただき,ここに厚く御礼申し上げます.また,ウスキザイムをご提供いただいた大分菌類研究所所長水海吉太郎氏に感謝の意を表します.
社団法人日本農芸化学会の論文

サケツバタケのプロトプラスト化とその再生

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