糠床の熟成に関する研究 熟成中のフレーバー成分の変化
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概要
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150日間熟成させた糠床,また2年間熱成させた糠床,および120年間を経た糠床を用いて有機酸,トリグリセライドと遊離脂肪酸,蒸留によって得られたフレーバー成分の変化を追跡した.熟成フレーバーの生成は60日から90日にかけて急激に増大し,前報(4)での菌叢の変化との関連性が認められた.有機酸では,菌叢中で優勢な乳酸菌による乳酸が主たる酸であったが,プロピオン酸は野菜を漬け続けた糠床にのみ検出され,また120年の糠床にも認められた. 脂質の変化では,米糠中の4つのトリグリセライドはT床において60日以後急速に分解され, 120日までに25%が分解された.遊離脂肪酸ではC18:1, C18:2の減少が著しかったのに対し,熟成度を示す指標物質として, 10-hydroxy-octadecanoic acidとoctadecanoic acid-10, 13-oxideが顕著に増大した. 特徴的なフレーバー成分としては, ethyl guaiacol,γ-nonalactone, γ-dodecalactone,脂肪酸のプロピルエステル, phenyl-iso-thiocyanate, 4-methyl mercapto butane-2-one, methyl mercapto propanal, 3-methyl mercapto propanol等が熟成が進むとともに検出された.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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