凍結保存によるlactobacilliの損傷とその回復について
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概要
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Lactobacillus bulgaricus B-62, B 5 b, L. acidophilus IAM 1043, L. casei LC-3を脱脂乳, 5%ショ糖,生クリーム, 0.9%食塩水あるいは1%ゼラチン溶液中で7〜85日間, -30°Cで凍結保存したが,生き残った菌の搬傷率(酢酸塩に感受性となった細胞の割合)はいずれも小さく,生酸活性もほとんど低下しなかった.これに対してL. helveticus HNは高い損傷率を示し,とくにショ糖溶液中で85日間凍結保存した場合は,生き残った菌の99%が0.25M酢酸塩(pH 5.3)感受性となった,そして脱脂乳における酸生成は,無処理菌に比べ平均約4時間遅延した. このL. helveticus凍結保存菌を10%脱脂乳に接種,培養すると約4時間後に急速な回復が認められ, 7〜8時間後には完全に正常状態に復帰した. なお, L. bulgaricusとL. jugurti(無処理菌)は,ほかのlactobacilliと比べて酔酸塩に対する抵抗性が弱く,とくにL. jugurtiは0.13M酢酸塩の存在で増殖がほとんど阻止された.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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