コンニャクマンナンゲルのレオロジー的性状
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概要
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KMゲルのレオロジー的性状を明らかにする目的で,ゲル性状のKM濃度および温度への依存性を検討した.ゲルの性状は,オートグラフを使用して,円柱状の試料ゲルに15%の圧縮歪みを加えたときの応力緩和を測定し,その結果をマックスウェル模型(6要素)で解析して求めた. (1) KM濃度を1.64〜3.29%としたとき,緩和時間(τi)は,濃度にほとんど依存しなかったが,弾性率(Ei)は,濃度の2乗に比例し,いわゆる2乗則が成立した. (2) ゲルの温度を10〜50°Cとしたとき瞬間弾性率(E0)は高温ほど大きかったが,応力の緩和曲線(Eγ(t)=〓Eiexp(-t/τi))は測定の途中(歪み負荷後30〜50分後)で交差し, KMゲルの応力緩和は高温ほど著しいことを示した. (3) 弾性率のなかで, E0, E2およびE3は温度上昇に伴って増大したが,E1は逆に減少した.低温では, E1, E2, E3の絶対値およびE0に対する寄与率は, E1>E2>E3であったが,高温ではE3>E2>E1となった.緩和時間では, τ1の値は40°C付近まで漸減し,それから急激に上昇した. τ2は温度上昇に伴い,わずかに減少したが, τ3はほとんど変化しなかった. (4) 最長緩和時間(τ1)の低温領域(10〜40°C)での温度依存性から,見かけの活性化エネルギー(ΔH)を求めると, 1.94%ゲルで3.5kcal/mol, 2.72%ゲルで2.8kcal/molであった.これを,ゲル中に存在する水の流動活性化ニネルギーに相当すると考えた.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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