コンニャクマンナンのゲル化の開始と脱アセチル化率との関係
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
コンニャクマンナン(KM)のゲル化過程に存在する誘導期の間に脱離されるアセチル基の量を測定し,脱アセチル化率とゲル化の開始との関係について検討した. (1) ゲル化温度の上昇によって誘導期は短かくなるが,脱アセチル化率は,他の条件を一定とすれば,ほぼ一定の値となった.このことから,誘導期の逆数は脱アセチル化反応の速度に比例する値であることが確認された. (2) KM濃度が低下することにより,脱離されるアセチル基の絶対量および割合のいずれも増大した.そして,ゲル形成が可能な最低濃度約0.5%では脱アセチル化率は100%となった. (3) 脱アセチル化率は水酸イオン濃度の上昇につれて増大したが,その変化の様相は凝固剤の種類とは無関係であった. (4) これらの結果から,脱アセチル化反応はゲル化開始に必須な誘導反応であることがいっそう明らかになった.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
著者
関連論文
- コンニャクマンナンゲルのレオロジー的性状
- コンニャクマンナンゲル性状の凝固剤への依存性
- コンニャクマンナンゲルの調製
- コンニャクマンナンのゲル化の測定およびゲル化過程の速度論的解析法
- コンニャクマンナンのゲル化の開始と脱アセチル化率との関係
- コンニャクマンナンのゲル化における誘導反応速度の凝固剤への依存性