酸性下におけるシトラールの変換成分-レモンの香りの悪臭に寄与する微量成分
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概要
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(1) レモンの変性による悪臭原因物質を明らかにするために,レモンの香りの主要な成分の一つであるシトラールを,酸牲溶液中で処理しシトラール変性物を調製した. (2) シトラール変性物を,酸性部,中性部フラクションIおよびIIに分画した.酸性部および中性部フラクションIは,それぞれアルミナカラムクロマトグラフィーにょって,各物質を分離し,さらにカラムまたは薄層クロマトグラフィーを繰り返すことによって,酸性部から4物質,中性部フラクションIから4物質を単離した. (3) 各物質は, FI-MS, EI-MS, IR, 1H-NMRおよび13C-NMRなどのスペクトルを測定することによって,それぞれの化学構造を明らかにした. (4) 悪臭原因物質として,ゲラン酸(シス型およびトランス型), 3, 7-ジメチル-7-エトキシ-2-オクテン酸(トランス型),カルバクロール,ピペリテノン, 2-エトキシ-1-メチル-4-イソプロピルベンゼンおよび1-p-メンテン-8-エトキシ-3-オンを単離した.1-p-メンテン-8-ヒドロキシ-3-オンは,ほとんど香気がなかった.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
著者
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木村 恵子
日本女子大学家政学部食物学科
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岩田 伊平
日本女子大学家政学部食物学科
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西村 弘行
北海道大学農学部
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土井 恵津子
日本女子大学食物学科
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西村 弘行
北海道大学農学部農芸化学科
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岩田 伊平
日本女子大学食物学科
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