ビールのS-メチルチオ酢酸の同定と定量
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概要
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(1)ビール中に微量の未知含硫化合物が存在することを見出し,本物質をビールからジクロルメタンで抽出して単離,精製を行った後, GC-MSにより化学構造を調べ, S-メチルチオ酢酸と同定した. (2)ビール中のS-メチルチオ酢酸の定量法を確立し,市販ビール21点について分析した結果,ビール中の合量は1μg/l以下から18μg/lであった. (3) S-メチルチオ酢酸は麦汁中には存在せず,ビール発酵時に酵母により生合成されることを認めた. (4) S-メチルチオ酢酸はビール中で10〜20μg/lの閾値を有し,ビールの香気に影響を与えうる成分であることがわかった.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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