南極産オキアミ (Euphausia superba) のタンパク分解酵素の精製と性質
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
オキアミのプロテアーゼを精製し,各性質を検討した結果,次の知見が得られた. (1)硫安塩析, Sephadex G-200, Sephadex G-100カラムクロマトにより,電気泳動的に精製単離し得た. (2)精製酵素の至適pHは6.0で,至適温度は40°Cであるが, pHが高くなると活性低下が著しい, 60°C以下では基質の存在により安定性が向上し, 60°C以上では,基質の有無にほとんど関係なく活性は低下する. 80°C, 100°C処理ではそれぞれ8分間, 2分間で完全に失活した. (3) 2価金属のキレート剤によって酵素活性が阻害されないことから,活性発現に2価金属を必要とはしない.またPCMBによって阻害されず, cystein, 2-mercaptoethanolによる活性化が認められない点より,精製酵素はSH酵素ではないと考えられる. (4) トリプシンインヒビターにより阻害されるが完全ではなく, 10倍量のトリプシンインヒビター存在下でも約20%の活性は残存した. (5) SDS-ディスク電気泳動法によって,精製酵素の分子量は約26,000であると推定した.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
著者
-
柳本 正勝
農林省食品総研
-
野口 明徳
食品総研
-
野口 明徳
農林省食品総合研究所食品工学部
-
梅田 圭司
農林省食品総合研究所食品工学部
-
木村 進
農林省食品総合研究所食品工学部
-
柳本 正勝
農林省食品総合研究所食品工学部
関連論文
- スタフィロマイシン生産の生理的研究 : (第2報)生産誘導因子の生成について
- スタフィロマイシン生産の生理的研究 : (第1報)生産物阻害について
- 351 スタフィロマイシン生産の生理的研究 : (第六報) IMの役割について
- 有限要素法による連続通電加熱の温度分布の解析
- 306 ラクトン化合物による放線菌の代謝調節現象
- 通電加熱中の卵白アルブミン溶液の加熱速度とその変化
- 有限要素法による通電加熱における温度分布の解析
- 有限要素法による熱伝導率測定と温度分布の解析
- ブナザケ身肉の組織化
- 408. スタフィロマイシン生産の生理的研究 : (第3報) 生産挙動と生成系について
- 407. スタフィロマイシン生産の生理的研究 : (第2報) 通気条件の影響について
- エクストルージョン・クッキング
- 凍結変性による南極産オキアミ身肉蛋白のブロック化
- 南極産オキアミ (Euphausia superba) のタンパク分解酵素の精製と性質
- 浸透圧によるイオウ酸化細菌Thiobacillus thiooxidansのプラスモリシスと呼吸のpH依存性変化