コーヒー豆の酵素処理に関する研究(第4報) : マンナナーゼによるコーヒーマンナンおよびコーヒー豆の分解におよぼす塩濃度の影響
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概要
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Rh. niveusとAsp. nigerの生産するマンナナーゼ作用におよぼす塩濃度の影響を比較検討して次の結果を得た. (1) コーヒー豆から単離したマンナンを基質に用いた場合,Asp. nigerのマンナナーゼでは塩濃度は反応速度と分解限度の両方に影響し, 0.1M〜0.15Mの食塩濃度で最も高い分解限度を示した.しかし,Rh. niveusのマンナナーゼでは食塩濃度は反応速度にのみ影響をあたえた.この場合の至適濃度も0.1M〜0.15Mであった. (2) M3およびM4を基質に用いた場合はAsp. nigerのマンナナーゼ作用に対して塩濃度の影響は認められなかった. (3) マンナン懸濁液を超音波処理するとAsp. nigerのマンナナーゼによる分解限度は上昇するが, Rh. niveusのマンナナーゼ作用には変化は認められなかった. (4) コーヒー豆の熱水抽出残渣に作用させた場合,両起源のマンナナーゼともに低濃度の塩によって阻害された. (5) Asp. nigerのマンナナーゼによるコーヒー豆の熱水抽出残渣の分解限度はRh. niveusの場合のほぼ1/40であった.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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