マツバボタンの挿木における不定根の発生機構について (第3報)
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概要
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この実験は1962東京教育大学園芸教室においてなされたものである。マツバボタンの茎葉中にはエーテルおよび水に抽出される発根促進物質が存在する。マツバボタンの緑色茎葉中には水およびアルコールに抽出される発根抑制物質が同時に存在し, 抽出される。マツバボタンの茎葉のエーテル抽出物中にはIAAの発根促進能力を減退または変質させる物質を含有する。ただし水抽出物中には, この物質は存在しない。マツバボタンの葉中の発根物質は生育時期および環境により, 量的質的に差異がある。開花, 秋冷, 短日等により消滅または減退するものと考えられる。マツバボタンの発根促進物質の発根促進能力は室温における抽出ではIAA10ppmにも及ばない。エーテル抽出物の発根能力が, 水抽出物のそれより強いこと, およびその他を考慮すると, Natural auxin の存在が考えられるが, これだけであるか, 二つ以上のものであるかは結論し得ない。
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