ブドウ‘デラウェア’の休眠枝ざしの発根に関する研究 (第1報)
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概要
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1969年から1972年にかけて, ブドウ‘デラウエア’の休眠枝を用い, さし木における発根とほう芽との関係を調査した. 結果は次のとおりである.1. 早春におけるさし木発根に及ぼすボトム•ヒートの適温は21°C, またはそれ以上であつた. 発根には地下部の温度のみならず, 地上部の高温も必要であつた. なぜならば地上部の高温はさし穂のほう芽を促したからである.2. さし穂にほう芽中の芽があると発根を促した. さし木時に摘芽すると発根率および発根数が著しく減少した. さし穂に摘芽処理およびオーキシン処理を併用した場合は無処理区よりも発根数は劣つた. しかし, 摘芽処理のみのものより発根数はやや多かつた. ほう芽中の芽にはさし穂の発根を促す物質があつて, この物質はオーキシンと相乗的に発根を促すようであつた.3. 秋期のさし穂に摘葉処理をすると, 発根およびほう芽の促進がみられた. 落葉時にさし穂の摘芽処理をすると発根したが, 無処理のさし穂は発根しなかつた. 秋期におけるさし穂は一般に発根数が少なく, たとえ発根率が高い場合でも根数は少なかつた.4. 休眠後のさし穂に処理した生長調節物質の中で特にABAとNAAが発根を促した. しかし, この場合にはほう芽は促進されなかつた.
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