果樹のつぎ木親和性に関する研究 (第1報) : 台木と穂木のカルスのゆ着
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概要
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1. カルスの培養を手段として, 果樹のつぎ木親和性に関する実験を行なつた.2. 果樹の茎の形成層からのカルスの誘導はNAA, IBAおよびカイネチンにより促進された.3. カイネチンは初期のカルス誘導においてNAA, IBAの効果を助長した. ココナットミルクは効果がなかつた.4. ココナットミルクはカルス組織の長期間の培養に適した添加物であつた.5. 培地へのオーキシン類, ビタミン•アミノ酸類, ココナットミルクの添加は, カルス細胞の形や, 細胞間の結合の強さに影響を与えた.6. ブドウにおいて不定根の発生がみられたが, すべての材料で不定芽の形成はみられなかつた.7. 異なつた果樹から得た二つのカルス組織を同一培地上でゆ着させ, そのゆ着状況を示すために4段階の判定基準を設けた.8. 異種植物間のカルスのゆ着は, 本実験において, ある組合わせのもので植物分類学上の近•遠関係ととは無関係に起こるものがあつた.9. つぎ木の活着過程の第一段階における台木と穂木とのカルスのゆ着は, つぎ木完成のためには必要なことである. しかし, カルス間のゆ着だけではつぎ木の親和性を決定できない.
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