アマリリスの切片繁殖能率に及ぼす母球の肥料効果
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概要
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1. 切片繁殖によるアマリリスの子球を1/2,000aのポットに植え, 所定の肥料構成下で4年間肥培をした。2. 用土は赤土と川砂を等量に混じたもので, 硫安, 過燐酸石灰, 硫酸加里をN, P2O5, K2Oとして4年間にポット当り1g, 3g, 9g与える区をそれぞれ1, 3, 9として, これらの組合せの各区を作つた。3. 培養の肥大と肥料構成との間には特定の関係が見られなかつたが, 3-3-3および3-3-1の両区の肥大が最高で, 9-9-9および9-3-3の両区は病虫害の発生が多く肥大は悪かつた。4. 培養を切片繁殖および含有成分の分析に用い, 肥料構成との関係を見た。5. 培養のN含量はNの施用量増加に伴なつて増加し, Kにも同じ傾向が見られるがPでは不規則である。N, P, K間の相助, 拮抗作用は明らかでなかつた。また炭水化物含量と肥料との間には特定の関係が認められなかつた。6. 切片処理による形成子球数と肥料構成との問には関係がなかつたが, N含量の少ない球の方がやや子球数が多かつた。1-1-1区の子球形成数はとくに高かつたが, この区は病虫害の発生が少なく, 他区より著しく高いC/N比を示した。7. 形成子球の処理後4か月目の肥大および葉の生長は多肥区ほど大であり, 成分的にはN含量の高い母球のものほど大であつた。8. 母球の病虫害発生状態, 子球の形成数および形成子球の肥大の点を総合して1a当り, N, P2O5, K2Oを年間それぞれ 2kg 施用するのが適当と考えられる。
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