有皮りん茎の組織培養における子球形成 (第1報) : りん葉の各部位における個体再生能力
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概要
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ヒガンバナ科及びユリ科に属し, 有皮りん茎を持つ12種の花卉について, りん茎組織の個体再生能力を調べるため, 各部位より採取した培養片をショ糖と寒天のみを添加した White の培地で無菌培養した.すべての種において, 底盤とりん葉にまたがる部分の培養片は子球を再生した. 培養片採取の時期やりん葉の齢と再生能力の関係は明らかでなかった.ユリ科の種では, りん葉上部の培養片でも子球形成を行なったが, ヒガンバナ科の種では, 基部の培養片に限られた. また前者のほとんどの種は子球形成の多くを向軸面で行い, 後者の種ではすべて背軸面での形成が大であるという相違が認められたが, この形成面の方向性に置床の方法が若干の影響を与えた.底盤組織の上に2枚の隣接りん葉の基部組織を付けた培養片では, いずれの種でもりん葉にはさまれた部分での子球形成が大であった. りん葉の組合せが葉身直下のものと, これとは反対側のものとからなる場合には, ユリ科の種では葉身直下の基部組織の子球形成率がより大であり, ヒガンバナ科の種では反対側の基部組織がより大であった. すべての種において, 底盤部からの器官形成はみられなかった.
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