チューリップの施肥に関する研究 (第3報) : 肥料3要素および水分の吸収量の季節的消長
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概要
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1. チューリップの施肥に関する基礎資料を得る目的で, ガラス室で William Pitt の大球 (15〜16g) と小球 (2.0〜2.2g) を用い, れき耕栽培の方法により, 肥料の3要素および水分の吸収量の季節的消長を調査した。2. 3要素の吸収は水分の吸収とほぼ平行的な消長を示し, いずれも地上発芽期以前にはきわめて少なかつたが, 展葉期以後は急速に吸収量が増加し, 開花期直後に最高に達し, それ以後はまた低下した (第2•3図参照)。3. 各要素の吸収量についてみると, 窒素は吸収量が最も高く, 発芽期以前にもかなり吸収された。カリは窒素についで多く吸収され, とくに地上部が枯死するころまで吸収が続いた。りん酸の吸収は最も少なかつた。4. 大球と小球とでは3要素の吸収比率が異なり, 小球は大球よりも窒素を多く吸収した。また小球は大球より1株当たりの養水分の吸収総量が少ないばかりでなく, 球根1gを増加するに要する養水分量も小球が大球より少なかつた。これは小球が少量の養水分で能率よく球根を増殖させる能力のあることを示すものといえよう。
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