人參の抽苔草姿と採種技術上の二, 三の問題
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概要
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1. 人参の代表的品種12種を用い秋播を行つて抽苔時の草姿を調査し, 採種栽培に資せんとした。2. 抽苔草姿は系統によつて異り, 東洋系人参は一般に立性を示し主枝の発達が良く花傘も大型であるが, 側枝は発達悪く短小で数も少なかつた。然るに欧洲系人参は根型や抽苔の早晩の如何にかかわらず一般に開張性草姿を示し側枝の発達が良く, 大きな枝が多数出て花傘も大きかつた。3. 抽苔の早い東洋系品種が立性草姿を示すのに抽苔の晩い欧洲系人参が開張性草姿を取るのは, 後者の側芽が活動しやすいのに前者の側芽はなかなか動き始めない事に原因するものと思われる。4. 人参の採種には開花期のそろつた大きさの齊一な花傘をつける事が収穫調製を容易にし種子の品質向上に必要条件と考えられる。それで東洋系人参は密植して主枝のみをのこし側枝は剪除し, 欧洲系人参は粗植にして主枝は摘心して側枝の花傘から採種する事が望ましい。5. 金時人参種子は特に発芽が悪いものとされているが, その原因の一つはかかる品種を無整枝で発育の悪い側枝からも採種するためであろう。
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