制御環境下におけるチューリップの juvenile phase 短縮に関する研究 (II) : 実生球の thermoperiodicity について
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概要
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チューリップ実生球の各生育期における好適温度を求め, 生活環境と温度周期性の関係を明らかにして, 制御環境下における juvenile phase 短縮の方法を見出そうとした。種子から生産された1年生実生球の温度周期は次のように要約された。20vH+40L+130M+20H(vH: 35°C, L: 4°C, M: 13°C, H: 23°C, 数字はおのおのの処理日数を示す)すなわち, 実生の球根形成後, ほぼ35°C, 20日の高温期が存在し, この時期に球根の休眠が完成する。ついで4°C, 20日程度の低温期に入り休眠が打破される。この状態で球根が植え込まれると, 適温は約13°Cに上昇し, ここで萠芽•生長がすすむ。この期間は球根の生産量からみて, 約130日継続する。そして, 23°C, 20日程度の中高温期に入り, 球根の休眠が進行して収穫期に達する。2年生実生球においても1年生実生球と同様な周期性をもつことが認められた。以上の実験結果から, 自然環境下において5サイクルの juvenile phase で開花齢に達するとすると, seedlingphase を含めて第7年めに開花するのに対し, 人工気象下では約3.2年で開花齢に到達させる可能性が示された。
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