低温処理によるチュウリップ球根の鱗片葉タンパク質の変化に関する血清学的分析
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概要
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チュウリップ鱗片葉部におけるタンパク質パタンが低温処理によつてどのように変わるかを血清学的方法によつて分析した。そして, この変動が促成栽培における低温処理の効果度を知るシグナルになるか否かを検討した。Ouchterlony 法による抗原抗体反応の結果生ずる沈降線から無処理の Mozart 鱗片葉部では6成分, Zwanenburgでは8成分が検出された。低温処理が施されると両品種とも特定タンパク質成分の消失 (Mozart の M-a, Zwanenburg の Z-a およびZ-c成分) および量的減少が認められた (Mozart の M-b および M-c, Zwanenburgの Z-b および Z-d 成分)。Immunoelectrophoresis による分析結果においても球根の低温処理による鱗片葉部の特定タンパク質の消失が確認された。以上の結果から, 血清学的分析法は低温処理による鱗片葉部のタンパク質組成の変化を適確に把握できることがわかつた。そして, 促成栽培における適度の処理程度を知るシグナルに利用できる可能性が示唆された。
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