れんこんの主茎第1節に形成される葉について : とくにその葉の生育に及ぼす遮光および施肥量の影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
種れんこんから新たに生長した主茎の第1節に形成される葉(第1葉)は, 水面より抽出する"立葉"になるか, あるいは水面に浮ぶ"浮葉"となる. その要因を遮光および施肥条件に着目して研究し, 次のようなことを明らかにした.1. 種れんこんの大(生体重150〜270g)および小(生体重40〜100g)のいずれにおいても, 主茎の第1葉は, 対照区および屋根型遮光区の無施肥区, 標準施肥区および倍量施肥区で立葉になった. しかし, 相対湿度の著しく高かったトンネル型遮光区の標準施肥区および倍量施肥区では浮葉であった.2. 主茎の第1葉の葉柄の下皮組織を構成する細胞壁の肥厚程度は, 浮葉の場合に比して, 立葉の場合が大であった. また, フロログルシン塩酸反応は, 細胞壁の肥厚程度と同様な傾向を示し, 立葉の葉柄のように肥厚の著しい場合にはフロログルシン塩酸反応も著しく, 浮葉の葉柄のように肥厚のわずかな場合には, その反応も著しくなかった.3. 主茎の第1葉の葉柄の繊維細胞の肥厚程度は, 立葉の場合は, 浮葉の場合に比して大であった. 立葉および浮葉の葉柄の繊維細胞の形態は, いずれにおいてもほとんど同じであった. しかし, 立葉の場合は, 繊維細胞の肥厚が著しく, 浮葉の場合は, ほとんど肥厚がみられなかった. 立葉•浮葉の組織的相違は, 繊維細胞の肥厚程度によることがわかった.
- 園芸学会の論文
著者
関連論文
- ハクサンチドリ (Dactylorhiza aristata) の種子形成過程と無菌発芽について
- ハクサンチドリ (Dactylorhiza aristata) の種子形成過程と無菌種子発芽に関する予備的報告
- 冷蔵処理がハクサンチドリ属 Dactylorhiza purpurella の無菌種子発芽に及ぼす影響
- イチヨウランの種子形成過程と発芽について
- クマガイソウの種子形成過程と発芽について
- 玉花蘭の種子形成過程と発芽について
- 台湾産カクチョウランの種子形成過程と発芽について
- コランの胚発生過程ならびに種子形成と発芽について
- コランの種子形成過程, 並びに種子発芽について
- レブンアツモリソウ及び Cypripedium reginae の種子発芽について
- ラン科植物の種間および属間雑種の種子発芽, 並びに発育の様相
- ラン科植物の種子発芽および初期発育の様相に関する研究
- ラン科植物の胚発生過程と発芽との関係に関する研究
- ウチョウランの胚発生並びに種子形成と発芽について
- キエビネ, カランセ•エルメリ及びトクサランの種子形成, 並びに種子発芽について
- キリシマエビネ, ニオイエビネ及びアマミエビネの種子形成並びに種子発芽について
- ツルラン, カランセ•カルディオグロッサ及びガンゼキランの種子形成, ならびに種子発芽について
- シュンラン及びパフィオペディラムの種子形成, ならびに種子発芽について
- シラン及びエビネの種子形成, ならびに種子発芽について
- れんこんの主茎第1節に形成される葉について : とくにその葉の生育に及ぼす遮光および施肥量の影響