コランの胚発生過程ならびに種子形成と発芽について
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概要
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コランを供試し, 胚珠形成および受精後の種子形成過程を組織学的に観察するとともに, 暗所培養を行い種子形成過程と種子発芽との関係を追究した.1. 子房の大きさは, 受粉すると急速に増加し, 受粉後140日ごろに一定となった.2. 胚珠形成は, 受粉後70日ごろに完了した.重複受精は, 受粉後90∿100日ごろに行われ, 胚のう核は8個観察された.受粉後から胚発生完了までの所要日数は240∿250日であった.なお, 受精後の胚乳核は4∿8個が観察された.3. 胚発生過程の様相は以下のようであった.すなわち, 4細胞期はC_1型に, 4細胞期以降の胚発生過程はJ型(Polystachya microbambusa型)とF型(Coelogyne parishii型)の変異した型の混合型に類似していた.胚はおもに4細胞期のca細胞から形成され, cb細胞から胚管が形成された.4. エビネ属およびその近縁の属同様, 胚発生完了時に発芽率, 発芽後のリゾーム形成率のいずれも高くなり, 平均発芽日数も早かった.播種培地としては供試4培地間ではT培地が優れていた.また, 胚発生完了以降, 種子の発芽率は, いずれの培地においても極めて低かった.
- 園芸学会の論文
- 1998-09-15
著者
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