ウチョウランの胚発生並びに種子形成と発芽について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ウチョウランを供試し, 胚珠形成及び受精後の種子形成過程を組織学的に観察するとともに, 種子形成過程と種子発芽との関係を追究した.1. 子房の大きさは, 受粉すると若干増加し, 受粉後13日目に一定となった.2. 種子及び胚の大きさは, 受精すると急速に増大した. 種子は, 受粉後約20日間伸長し, 受粉後30日頃から収縮し, 受粉後40日目には一定に達した. 胚の大きさは, 受粉後40日頃まで増大した.3. 胚珠形成は, 受粉後8〜9日頃に完了した. 重複受精は, 受粉後12〜13日頃に行われ, 胚のう核は8個観察された. 受粉後から胚発生完了までの日数は, 38〜40日であった.4. 胚発生過程の様相は以下のようであった. すなわち, 4細胞期はC2型に, 4細胞期以降の胚発生過程は,F型 (Coelogyne parishii 型) の変異型に類似していた. また, 胚は主としてca細胞から形成された.5. 受精後の胚乳核は, 3〜5個が観察された. また, 胚柄の存在が観察された.6. 種子の発芽能力は, 16細胞期から中間期の間 (受粉後約25日) に認められた. なお, 胚発生完了前後において発芽率が最も高かった. また, 暗所培養に比較し明所培養で発芽率が高かったが, 発芽後の発育は暗所培養の方が優れていた. 培地としては, MS培地に比較してH培地が種子発芽に対し優れていた.
- 園芸学会の論文
著者
関連論文
- ハクサンチドリ (Dactylorhiza aristata) の種子形成過程と無菌発芽について
- ハクサンチドリ (Dactylorhiza aristata) の種子形成過程と無菌種子発芽に関する予備的報告
- 冷蔵処理がハクサンチドリ属 Dactylorhiza purpurella の無菌種子発芽に及ぼす影響
- イチヨウランの種子形成過程と発芽について
- クマガイソウの種子形成過程と発芽について
- 玉花蘭の種子形成過程と発芽について
- 台湾産カクチョウランの種子形成過程と発芽について
- コランの胚発生過程ならびに種子形成と発芽について
- コランの種子形成過程, 並びに種子発芽について
- レブンアツモリソウ及び Cypripedium reginae の種子発芽について
- ラン科植物の種間および属間雑種の種子発芽, 並びに発育の様相
- ラン科植物の種子発芽および初期発育の様相に関する研究
- ラン科植物の胚発生過程と発芽との関係に関する研究
- ウチョウランの胚発生並びに種子形成と発芽について
- キエビネ, カランセ•エルメリ及びトクサランの種子形成, 並びに種子発芽について
- キリシマエビネ, ニオイエビネ及びアマミエビネの種子形成並びに種子発芽について
- ツルラン, カランセ•カルディオグロッサ及びガンゼキランの種子形成, ならびに種子発芽について
- シュンラン及びパフィオペディラムの種子形成, ならびに種子発芽について
- シラン及びエビネの種子形成, ならびに種子発芽について
- れんこんの主茎第1節に形成される葉について : とくにその葉の生育に及ぼす遮光および施肥量の影響