アブラナ科作物種子の乾燥貯蔵及び莢中保存による休眠の変化
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概要
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(1) アブラナ科作物種子の休眠覚せいに対する乾燥貯蔵並びにさや中保存の効果を見るために, ナタネ, カラシナ, ミズナ, ダイコン及びハマダイコンのさやを収穫後, 直ちにさやから脱粒した種子とさや中に保存したままの種子とに分け, これらを各々室内に放置する区とデシケーター内に貯蔵する区とに分けた. 以後10日ごとに発芽試験を行い, 発芽率の推移を見た.(2) その結果, 脱粒して室内に貯蔵した種子は1〜4か月の間に完全に休眠から覚せいした. ただしハマダイコンは例外でその覚せいは不完全であった.(3) 乾燥貯蔵の場合, ナタネでは休眠から早く覚せいしたが, カラシナ•ミズナ•ハマダイコンでは休眠覚せいは阻害された. また, ダイコンでは乾燥による効果は認められなかった.(4) さや中に保存した種子では, ナタネ•カラシナで休眠覚せいが遅れたが, ミズナ•ダイコン•ハマダイコンではさやの影響は認められなかった.(5) 更に乾燥貯蔵とさや中保存とを組合せた場合, 休眠覚せいに対する両者の作用はそれぞれ独立的であることが分かった. したがって, 発芽抑制物質は湿度によって影響を受ける物質と, さや中保存によって働く物質との2種が存在する可能性が強い.
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