ペラルゴニウム (Pelargonium × domesticum Bailey) 花弁の色素構成
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概要
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香料用ゼラニウムから種子稔性を導入し, 種子繁殖系のペラルゴニウムの開発を試みているが, 花色の変異が大きく, 花色の安定化を目標に, 花色発現に関する基礎的調査が必要とされる. 本論文では栽培品種ならびに雑種個体を用い, それらの構成色素を決定するとともに, 色素と花色(色相, 明度) との関係を明らかにした.1. Anthocyanidin 色素の分析の結果, pelargonidin (Pg), cyanidin (Cy), peonidin (Pn), delphinidin (Dp), petunidin (Pt), malvidin (Mv)の6種類が認められ, 栽培品種および雑種個体の色素構成は, 以下のような9タイプに分類できた.(I) Pg主体(80%以上)(II) Pg+Cy+Pn+Mv(III) Pg+Pn+Mv(Mv40%以下)(IV) Pg+Pn+Mv(Mv40%以上)(V) Pg+Cy+Pn+Dp+Pt+Mv(6種類共存型)(VI) Cy(微量)+Pn(微量)+Dp+Pt+Mv(VII) Dp+Pt+Mv(VIII) Mv主体(90%以上)(IX) anthocyanidin 未検出 (白色)2. Anthocyanidin 色素構成と花色の関係において, 花色に影響を及ぼす最も重要な色素はPgであり, Pg含有率と色相との関係においてr=0.900***の高い正の相関を得た. Dp含有率と色相においてもr=0.858の正の相関を得た. しかしながら, 両含有率のいずれも6種類共存型の系統を含めて計算すると, 色相との相関はくずれた. これに対し, Mv含有率と色相とでは, 6種類共存型の系統を含めてもr=-0.883***の高い負の相関を得ることができた.3. 色素量(A)と明度(L*)において, L*=70.38-7.40log Aの半対数式でr=-0.912***の相関指数を得た.
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