アブラナ属作物種子の休眠覚醒に及ぼす貯蔵湿度の影響
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概要
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1)アブラナ科作物の休眠種子を乾燥または湿潤状態で貯蔵すると風乾種子に比べて休眠覚醒が遅れる。このことから休眠覚醒のための最適湿度の存在が予想され,それより乾いても湿っても休眠の覚醒が遅れるのではないかと推定される。この推定が正しいかどうかを検討するために実験を行った。 2)実験材料としてミズナ・カラシナ・ナタネの種子を用い,採種後直ちに空気湿度を種々変えたデシケーター中に貯蔵し15か月間にわたって発芽率の推移を調べた。空気湿度は硫酸の濃度を変えることにより湿度100%区よりO%区まで11段階を作った。別にシリカゲルを入れたデシケーターを設け,また対照として爽から脱粒Lた種子と薬の中に包まれたままの種子とを室内に放置Lた。 3)その結果湿度100%区および90%区では種子は過湿のため5か月以内で死滅したが,その他の湿度区では実験終了時まで発芽を続けた。休眠覚醒に対する最適湿度は種類によって異なり,ミズナでは湿度40〜70%,カラシナでは30〜40%,またナタネでは5〜40%であった。最適湿度より離れ乾燥または湿潤の程度が増すにつれて休眠覚醒はより強く阻害される。乾燥または湿潤による休眠覚醒の阻害は永続的であり,種子の年齢が進んでも発芽の適温の範囲が拡大されることはない。4)室内に放置した脱粒種子の発芽率はどの種類でもほぼ湿度50〜60%に置かれた種子の発芽率に相当する。またカラシナおよびナタネにあっては莢中に包まれた種子は脱粒種子に比較して休眠の覚醒が遅れる。さらにカラシナの湿度0%区に見られた発芽の停止は乾燥による二次休眠と考えられる。
- 1975-08-30
著者
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