高温下におけるメロンの光合成特性
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概要
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耐暑性を持つと考えられる9-8系統を含むメロンの4品種•系統と,それらの若干の雑種について,ハウス内における光合成と蒸散の日変化を携帯型分析計を用いて調査した. その結果, 品種•系統間で, 光合成速度および蒸散速度に有意な差が認められ, 光合成速度の高い系統は蒸散速度も高い傾向を示した.さらに,日中の高温時にハウスを締めて50°C30分間および48°C60分間高温処理を行うと,各品種•系統とも処理後の光合成速度が減少した. しかし, 蒸散速度は減少しなかったので, 高温処理による熱ストレスは気孔抵抗ではなく葉肉抵抗を増加させ, 光合成を低下させたことが推察された.<BR>9-8系統およびその雑種では, 高温処理後の光合成の減少が小さいことから, 9-8系統は耐暑性能力を保有し, それが遺伝することが立証された.<BR>高温処理に伴う光合成反応とイオン漏出法で判定した耐暑性とは一致せず, イオン漏出法は耐暑性の判定に利用し得ないことが分かった.<BR>光合成速度が, 蒸散速度, クロロフィル含量および葉内窒素含量と有意な相関を示すことから, 高温処理後の高い光合成速度とともに, 高いクロロフィル含量および高い葉内窒素含量が, 耐暑性メロンの選抜指標に利用できる可能性が示唆された. なお, 指標の有用性については, 品種等の幅を広げて今後とも検討する必要があろう.
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