ヒ酸鉛がウンシュウミカン果肉中のコエンザイムAに及ぼす影響
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概要
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満開後3〜5週目のウンシュウミカンに0.3%ヒ酸鉛を散布し, その後の果肉中の全コエンザイムA濃度 (全CoA 濃度), アセチルコエンザイムA濃度 (AcCoA 濃度), 全 CoA る AcCoA の割合 (“アセチル率”), 及び収穫期の果汁遊離酸濃度に及ぼす影響を1980年かち1983年にかけて調べた.1. いずれの年にも果汁酸濃度は処理区で16〜17%低く, 減酸効果が認められた.2. ヒ酸鉛処理により, 果肉中の全 CoA 濃度は明らかな変化を示さなかったが, AcCoA 濃度は低下し, “アセチル率”が低下した.3. ヒ酸鉛処理後約5週目の“アセチル率”の, 処理による低下率は, 収穫期の遊離酸濃度の, 処理による低下率と高い正の相関関係を示した.4. ヒ酸鉛処理を受けた果実の果汁酸濃度が, 無処理果実に比較して低い理由の一つは, AcCoA の一部が加ヒ酸分解されてクエン酸の生成に用いられないためである可能性が示唆された.
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