肝疾患における血清チロシンの測定とその臨床的意義
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概要
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慢性肝疾患における血清Tyr濃度を Wong らの蛍光法を用い測定した. 対象は慢性肝炎88例 (147回), 肝硬変69例 (132回), 肝性脳症6例 (12回), 肝癌合併10例 (21回) である.血清Tyrは慢性肝炎活動型, 代償性肝硬変で高値を示し, 非代償性肝硬変では明らかに有意の上昇を示すものが多く, Fischer らのBCAA, AAA比 (MR) とTyrは有意の逆相関を示した. またTyrは HPT, ChE活性などと相関を示すが, GOT, GPTなどとの相関は認められなかつた.これらの結果から血清Tyrの測定は Fischer らのMRとほぼ同等の臨床的意義を有するもので, 肝の代謝機能の低下の程度をよく反映し, 有用な肝機能検査であると考えられた.
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