タマシロオニタケ抽出物のマウスに及ぼす生化学的影響並びに培養細胞毒性
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概要
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タマシロオニタケの熱水抽出物のマウスに及ぼす生化学的影響並びに培養細胞毒性を検討し次の結果が得られた。1.マウス(28∼32g)腹腔内投与48時間におけるLD50はキノコ湿重量にして4.5kg/kgであった。(Behrens-Kärber法)2.生化学的変化は血糖が投与6時間後から有意に減少し,GOT及びBUNは投与3時間後から有意に増加し,GOTが投与12時間後,BUNは15時間後において各々著しく上昇し,24時間経過後も低下しなかった。3.肝臓重量は有意に増加し,肝グリコーゲンは対照の約1/10に減少,またG-6-Pase,G-6-P DHも有意に減少した。4.血液及び尿中窒素化合物検査値の異常が観察され,血中のアンモニア,尿酸,クレアチニンは有意に増加し,尿中の尿酸,クレアチン,クレアチニンも増加傾向を示した。5.臨床血液生化学検査においても測定した全ての項目で異常が認められた。6.KB培養細胞に対してはコロニー形成が全く認められなかった。タマシロオニタケは糖代謝に影響を及ぼし,肝機能及び腎排泄機能障害を起こすことが推定された。
- 日本衛生学会の論文
著者
-
橋本 隆
信州大学医学部生化学教室
-
高畠 英伍
摂南大学薬物安全科学研究所
-
込山 茂久
長野県衛生公害研究所
-
山浦 由郎
長野県衛生公害研究所
-
福原 守雄
国立公衆衛生院
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込山 茂久
長野県衛生公害研
-
高畠 英伍
摂南大学薬学部
-
和田 正道
長野県衛生公害研究所
-
山浦 由郎
長野県環境保全研
-
橋本 隆
信州大学医学部
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