青少年を対象とした喫煙防止プログラム開発の試み
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概要
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埼玉県下の某普通高校2年生3クラス118人(男子62人,女子56人)を対象として,2種類の喫煙防止プログラムを実施した。一つは,喫煙が健康に及ぼす影響について理解させることを主なねらいとし(K版),他の一つは,喫煙習慣を身に付けないための具体的技術を習得することを主なねらいとするものである(B版)。プログラム実施1週間前に,喫煙行動,態度,知識などに関する質問紙調査を実施した。各クラスは,無作為に対照クラス,プログラムK版実施クラス,プログラムB版実施クラスに割り当てた。それぞれのプログラムは,研究対象校の保健体育担当教師1名が,週1回の割合で計3単位時間実施した。プログラム終了1週間後に事後調査を,約3年6ヶ月後に追跡調査を実施した。喫煙行動に関しては,いずれの調査時点でも,各クラスの喫煙者率に差はなかった。喫煙に対する態度に関する変数5つのうちの3つについて,また知識に関する変数3つのすべてについて,事後調査の時点でクラス間に有意な差があり,喫煙防止上好ましい効果がプログラム実施クラスにおいて認められた。しかし,追跡調査の時点では,いずれの変数についてもクラス間に有意な差は認められなかった。以上の結果は,本研究の喫煙防止プログラムは,知識や態度に対しては短期的な効果をもたらすが,喫煙行動に対しては,短期的にも長期的にも影響を及ぼさないことを示唆している。
著者
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西岡 伸紀
新潟大学教育人間科学部
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渡辺 正樹
兵庫教育大学
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高石 昌弘
国立公衆衛生院
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高橋 浩之
山形大学教育学部
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岡島 佳樹
東京大学教育学部
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高石 昌弘
国立公衆衛生研究所
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岡島 佳樹
東京大学教育学部健康教育学科
-
川畑 徹朗
神戸大学教育学部教育衛生学科
-
岡田 加奈子
帝京平成短期大学看護学科
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西岡 伸紀
新潟大学教育学部保健体育講座
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渡辺 正樹
兵庫教育大学学校教育学部健康教育学科
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