いわゆる先天性軟口蓋麻痺の臨床経験
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概要
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裂のない先天性鼻咽腔閉鎖不全症の中で, 臨床的に軟口蓋麻痺と診断された46例の臨床症状を検討し, つぎの知見を得た.<BR>1) 軟口蓋麻痺症例は言語障害に気付かれてから診断確定までに長期間を要し, 早期診断の困難さが示唆された.<BR>2) 生育歴上, 重複障害が多いこと, 初期の言語発達がやや遅いこと, 乳児期のミルクの鼻漏出などが多く認められた.<BR>3) 構音障害は開鼻声, 鼻漏出による子音の歪み, 声門破裂音が多く認められたが, 口蓋裂児と比べ, 口蓋化構音が少なかった.<BR>4) 鼻咽腔閉鎖不全に咽頭弁形成術を行ったが, 開鼻声の消失に長期間を要した.また, 軽度開鼻声の残存したものや, 鼻閉の出現したものも認められ, 咽頭弁の調節の難しさが示唆された.<BR>5) 鼻咽腔閉鎖機能改善後の異常構音に対する構音訓練成績は, 口蓋裂や機能的構音障害と比べて, とくに差は認められなかった.
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