小脳疾患患者の話しことばの音響的特徴
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概要
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運動障害性構音障害の話しことばの客観的評価を目的に, 小脳疾患患者を対象に音の持続時間を音響的に分析し, 聴覚印象による重症度評定との関係について検討した.聴覚印象による重症度評定には語と短文の音読資料を使用し, 同評価に熟練した, 臨床経験豊富な3名の言語治療士が判定した.音響分析の資料としては第二音節に [k] を含み, 前後が [a] または [i] の平板型アクセントの四音節語を使用した.これらの語の第一母音 (V<SUB>1</SUB>) , [k] , 第二母音 (V<SUB>2</SUB>) , 語全体の持続時間をサウンドスペクトログラフにより測定した.小脳疾患群では音レベルの持続時間が症例や語によって大きく変動した.また, V<SUB>1</SUB>の脱落, V<SUB>1</SUB>の声門破裂音化, V<SUB>1</SUB>のvoice offset timeの延長, [k] のvoice onset timeの変化が観察され, 起声, 声帯振動終了時などに喉頭と構音器官の協調運動の異常が生じていることが推測された.聴覚印象上の重症度は語全体の持続時間と良く対応していた.
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