ポーラログラフ法による二酸化ウラン中の6価ウランの分析
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概要
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二酸化ウランは三酸化ウランを還元して製造されるが,完全に還元することが困難であるため,6価の状態のウランをある程度含んでいる.この6価ウランU(VI)を定量または酸素とウランとの結合比O/Uを測定することは,二酸化ウランの製造過程においても,またこれを核燃料として利用する場合にも重要なことである.これまでポーラログラフ法を適用する方法として,Tishkoffは二酸化ウランを塩酸と煮沸して溶解したU(VI)を定量し,Burd,Gowardはリン酸に溶解して4<I>N</I>硫酸で希釈して定量し,また最近本島,星野は強リン酸に溶解して定量している.しかしこれらの方法は操作がやや面倒である.<BR>筆者は試料を濃リン酸と煮沸して溶解し,一定量の水で希釈したのちポーラログラフ法でU(VI)を定量する方法を検討し,簡便迅速な分析法を確立した.この方法によれば市販濃リン酸を直接使用でき,溶解後の希釈も一定量の水を添加するだけでよく,所要時間は1試料平均15〜20分である.また本法はO/U比2から3までのウラン酸化物およびその混合物中のU(VI)の定量に適用でき,二酸化ウラン中のU(VI)を0.05%(UO<SUB>2</SUB><SUP>2+</SUP>として)まで定量可能である.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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