過硫酸アンモニウム酸化によるルテニウムの蒸溜法 : 蒸溜法による核分裂生成物の分離に関する研究(第3報)
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概要
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核分裂生成物から無担体放射性ルテニウムを蒸溜分離する方法として,硝酸銀の存在で過硫酸アンモニウムを酸化剤として用い,硝酸々性溶液から蒸溜分離する方法を検討した.<BR>スリ合わせ連結の硬質ガラス製蒸溜装置を用い,担体としての空気は送風器により送り込む方法によった.試薬の濃度を種々変えて良好な収率をあたえる条件を検討するとともに,蒸溜時間と溜出量との関係を調べた.またその酸化機構についても考察し,中間生成物としての過酸化銀に主としてよるものと推定した.ついで核分裂生成物近似組成の合成試料について本法を試みた.<BR>その結果総容積45m<I>l</I>,濃硝酸8m<I>l</I>,1<I>N</I>硝酸銀1m<I>l</I>,過硫酸アンモニウム10gを含有させ蒸溜したときが最良で平均収率94%,Decontamiation factor 1×10<SUP>5</SUP>であった.蒸溜時間はその蒸溜曲線から約9分で充分で,この時間をもって蒸溜終止点とし得た.本法は過マンガン酸カリウム法より卓越していると認められた.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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