硫酸第二セリウムによる酸化蒸溜法 : 蒸溜法による核分裂生成物の分離に関する研究(第2報)
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概要
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核分裂生成物から無組体放射性ルテニウムを蒸溜により分離する方法として,硫酸第二セリウムを酸化剤として用い,硫酸々性溶液から蒸溜分離する方法を検討した.蒸溜はスリ合せ連結による硬質ガラス製の装置により行い,種々試薬の濃度を変えて比較的良好な収率をあたえる条件を検討した後,核分裂生成物近似組成の試料について本法を試みた.その結果,総容積50m<I>l</I>,硫酸の濃度40%,添加第二セリウム塩の量1.5gという試薬濃度で蒸溜分離し,平均収率71%,Decontamination factor 1 ×10<SUP>4</SUP>(max)であった.その他蒸溜終止点も明瞭であった.他の酸化剤による蒸溜法として過マンガン酸カリウム法および重クロム酸カリウム法をそれぞれ試み,比較検討した結果,本法は重クロム酸カリウム法と比べてやや劣るが比較的すぐれた方法であると認められた.<BR>無担体放射性ルテニウムを核分裂生成物から酸化蒸溜して分離する方法について検討した結果次のごとき結論を得た.<BR>(1)硫酸々性溶液から硫酸第二セリウムを酸化剤として用いて蒸溜分離する方法については蒸溜牧率は低いが,飛沫による汚染は比較的僅少である特徴を有することを認めた.<BR>(2)硫酸第二セリウム法,重クロム酸カリウム法,過マンガン酸カリウム法の3者を比較してみると総合として重クロム酸カリウム法が量もすぐれていることを認めた.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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